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それは11年前の雪が降る12月の寒い日でした。

深深と雪が降り積もる深夜にクルマが通過したタイヤの跡に沿って、クツの中に雪が入るスニーカーで田舎道の道路の中を歩いていた。

どうやってここまで歩いて来たのか覚えていない。

足の冷たさで、ふと気がつくとそこにいたワケです。

私はどうやら「鬱」になっていたようです。

神経の病気によるストレスや仕事でのミスが重なり、仕事をクビになる一歩手前の状態でした。

現実逃避なのか、死を覚悟したのか当時の私にも理解できない程にマトモではなかったようです。

来る日も来る日も神経痛と下痢と吐き気で、仕事どころじゃなく、ミスにミスを重ねて、信用なんてガタ落ちなのです。

新入社員でさえ「浅井のクソオヤジが」と、私の背中から聞こえるように、会話が聞こえるのです。

ここから逃げ出したら、どんなに楽だろうか。

今、死を選んだらこんな私でも清算してくれるだろうか？

これが、私のピンチの始まりでした。